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栗東歴史民俗博物館寄託永源寺所蔵文化財の閲覧用データベース作成について

栗東歴史民俗博物館寄託永源寺所蔵文化財の閲覧用データベース作成について
1 永源寺の指定文化財の現状
現在永源寺が国の指定を受けている文化財は以下の通りです。
①絹本著色地蔵十王像(奈良国立博物館寄託)
②絹本著色約翁徳倹像、永源寺開山祭文などの香語や墨跡(栗東歴史民俗博物館寄託)
③永源寺文書 八四七二点(栗東歴史民俗博物館寄託)
④塑造寂室和尚坐像(本山収蔵庫)    *像内納入品は栗東民族博物館に寄託。
 この様に現在指定文化財の多くは博物館に寄託されているのですが、これは永源寺の立地が愛知川上流の降雪量の多い山間地にあり、寒暖差や湿度の変化が激しい為、文化財の経年劣化や損傷が進みやすい事が主な理由です。また、収蔵庫や宝蔵だけではこれらの文化財の保管に最適なスペースを十分確保出来ない事も重大な課題です。そのため開創当時の中世文書や近世史料、遠忌法要などに関わる記録なども、寺外に寄託して保管する以外方法がないのが現在の状況です。
 2 栗東博物館寄託文化財データベース作成の意義
 栗東歴史民俗博物館寄託の「永源寺文書」は、平成十四年に国の文化財指定を受けました。その際国の補助事業として、永源寺の四派塔頭の什物を含む九千点余りの古文書、墨跡類の詳細な調査が行われました。それが『永源寺関係寺院古文書等調査報告書』という形で一冊の本に纏められております。
 このうち開山寂室禅師の墨跡や中世文書を含むこれらの文書群は、永源寺をとりまく朝廷、幕府、地方の有力守護大名などの動向を知る上で格好の史料であり、中世から近代まで、各時代の実相を反映しながら変遷していく地方禅宗寺院の経営のあり方を解明する上でも、大変貴重な記録文書であるといえます。
 これらの文書は文化財として一般に公開されている訳ではありません。しかし現在も書画、墨跡、中世文書などの貴重な文化財に関する調査や貸出しが毎年行われ、最近では大学などの教育機関や博物館などから近世の文書に関する問い合わせも増加する傾向にあります。
 そこで今年度より、禅文化研究所が推進しているデジタルアーカイブ事業『禅の至宝』に本山として参加し、臨済宗各派本山共通の文化財データベース構築に参加する事が正式に決定致しました。
 具体的には『永源寺関係寺院古文書等調査報告書』を利用したデータベース作成を永源寺側で行い、写真撮影については、利用の頻度も高く貴重な文化財(書画、墨跡、中世文書)を禅文化研究所に依頼し、その他の近世古文書等については永源寺と博物館の協力で撮影を進め、文字のデータベースについては、令和5年3月までに完成させる予定をしております。
 関係各位の皆様には、今後ともご支援ご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

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