お知らせ

永源寺拝観のお知らせ

昨日の5月16日(日)に、開山寂室禅師奉賛茶会献茶式が、槐安窟老大師猊下を御導師に表千家左海 大宗匠による献茶のご奉仕を賜り、厳粛な雰囲気の中無事円成致しました。ご列席賜りました各席関係者の皆様にも深甚の謝意を申し上げます。今年もコロナの影響で色々ご迷惑をおかけする結果となりましたが、今は只々、コロナの終息と関係各位の皆様の健康を祈るばかりです。

先日来延期しておりましたブライアン・ウィリアムズ氏の絵画『春陽』の寄贈と設置が本日執り行われました。永源寺境内の移ろゆく季節を織り交ぜ描かれた『春陽』と『秋光』一対の曲面絵画に、本堂はまるで新たな息吹を吹き込まれたかのようです。永源寺にお越しの際は、ぜひ間近でこの絵の魅力に触れてみてください。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う

「奉賛茶会」お茶席中止のお知らせ

謹啓 時下穀雨の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

平素は、大本山永源寺に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大及びそれに伴う行政機関の要請等の状況を鑑み、来る五月十六日の「第四十六回寂室禅師生誕奉賛茶会」につきまして、お献茶法要のみを執り行うことと相成りました。

関係各所の皆様方には、多大なご迷惑をお掛けしますこと深くお詫び申し上げます。

急なお知らせとなり大変申し訳ありませんが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

謹白

令和三年四月二十六日

大本山 永源寺

各 位

本日5月1日から1ヶ月間『琵琶湖の桜とあお若葉』キャンペーンが始まりました。重要文化財の「開山寂室禅師塑像」「井伊直弼新緑の和歌」「井伊直滋甲冑(兜)」の特別公開を行います。新緑のモミジ萌え立つ永源寺へ是非ご参詣下さい。

 

『ありのままを生きる』

願成寺 中川詳心

新緑の清々しい季節となりました。大本山永源寺境内のもみじやエイゲンジザクラもいっぱいに若葉を開いています。その少し頼りなくも懸命に葉を広げている植物たちの姿を目にするたびに、私も自らを顧みて初心に立ち返りまっすぐに生きなくてはと思いを新たにします。このように花や木々は私たちに季節の訪れを教えてくれると共に、私たちの心にもたくさんの気付きを与えてくれます。

「柳は緑 花は紅(やなぎはみどり はなはくれない)」

という禅の言葉があります。柳は緑色で花は紅色という、目の前のごく当たり前なありのままの姿を表現した言葉です。しかし、この禅の言葉は「ありのまま」の姿こそが最も自然で美しく尊いと示して下さっています。そのままの姿こそが、その人やその物がそれぞれに持つ真実の姿であり、人間ならばその人間らしさなのです。

私は今、広島県の願成寺というお寺をお預かりしています。四年前のこと、お檀家様がお亡くなりになられたご連絡を頂き、ご自宅へ枕経に伺いました。故人様のお顔を拝した後枕経のお経を唱え始めると、私は故人様との思い出が様々に蘇り悲しさのあまり、まともにお経も読めないほどに涙をこぼしてしまいました。その時私は、和尚としての勤めを果すことが出来ない自分が、情けなくて仕方ありませんでした。それから一年後、その方の一周忌の法要後のお斎の席で私は、ご遺族の方に枕経の席での失態を改めて深くお詫びしました。するとご遺族から「和尚さんが涙を流してくれて嬉しかった」という、思いもよらない言葉が返って来ました。また続けて「和尚さんの人間らしさを感じることが出来て良かった」とのお言葉も頂きました。私はこの頂いたお言葉によって、私自身が「和尚として」の立場にこだわり過ぎていたことに気付きました。

私たちは、自分の立場を考えたり、また相手に良く思われたいなどの様々な「はからい」を持ってしまいます。このはからいが私たちを迷わせ苦しめています。花や木々はそのはからいなしに、今を生きることに精一杯いのちを輝かせています。私たちもご紹介した禅の言葉「柳は緑 花は紅」のように、ありのままを生きて行きたいものです。しかし、ありのままだけではこの世の中では生き辛いことも事実です。まずは自らを見つめ、自分本位な「はからい」に気付くことから始めてみてはいかがでしょうか?私も一人の人間としてさらに精進いたします。

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